
子どもの居場所についての鎌ケ谷市の方針について
子どもたちの主体性や自己肯定感を育む上で、安心して自分らしく過ごすことのできる居場所はとても大切です。私が子どもの頃は、居場所が問題となることはほとんどなかったような気がします。というのも、当時の鎌ケ谷市には子どもたちの遊び場となる空き地や草むら、森や林などがたくさんありましたし、地域コミュニティーが自然な居場所となっていました。しかし、都市化の進展に伴い、今日ではそうした居場所がほとんど失われてしまっています。少子化や地域のつながりが希薄していることにより、子どもたちが安心して自分らしく過ごせる環境が減少しているのが現代社会です。そこで、意図的に子どもたちの居場所をつくることが求められているのではないかなと思います。また、たとえ大人が子どもたちの居場所をつくったとしても、その居場所に子どもたちが居心地のよさを感じるかどうか、その居場所を選択するかどうかは子どもたち次第です。ですから、子どもたちが自分たちの心のまま、居心地のよい居場所を選び取っていけるような環境をつくっていくことが大切なのではないかなと思います。昨年3月に策定された鎌ケ谷市こども計画を見てみますと、至るところに「こどもの居場所」というキーワードが現れてきて、本市の子ども施策において居場所づくりが重要な意味を持っているということが分かります。
質問1
本市における子供の居場所の方針についてお伺いいたします。
回答
近年、地域のつながりの希薄化や、少子化の進展により、安心して遊ぶことができる場所や異世代間の交流が減少するとともに、スポーツや文化体験活動への参加期間が減少することで、子ども同士が遊び、育ち、学び合う機会となる子どもたちの居場所を持つことが難しい傾向にございます。そのような背景の下、国は令和5年12月にこどもの居場所づくりに関する指針を閣議決定し、子どもが未来を持っている、主体性や創造性を十分に発揮して社会で活躍していけるよう、子どもたちの視点に立った居場所づくりを推進しております。本市においても、子どもの居場所の確保を進めていく必要があることから、令和7年3月に策定したこども計画において、基本方針の一つに、「社会全体でこども・若者を支えるための環境の整備」を掲げており、その中で、保育園、児童センター、児童遊園等の遊び場の確保や、子ども、若者の居場所づくりに取り組んでおります。
質問2
本市における子どもの居場所の方針につきましては、昨年3月に策定された鎌ケ谷市こども計画において基本方針の一つとして掲げられて、保育園、児童センター、児童遊園等の遊び場の確保や、子ども、若者の居場所づくりに取り組んでいるとのことでした。子どもたちの居場所づくりにおいて大切なことは、1つに、安全性が確保されているということ、もう一つに、子どもたちの主体性や自主性が尊重されているということではないかなと思いますが、こうした子どもたちの居場所における主体性や自主性についての市の考え方をお伺いいたします。
回答
子どもにとっての遊びは体力の増進や社会性の発達など、心豊かな人間性の開発の基礎が培われるものであることから、遊びを指導する中では、子どもの自主性、社会性、創造性を高めることが重要と考えております。市内6つの児童センターでは、18歳未満の全ての子どもを対象に遊びや交流の場を提供するとともに、鎌ケ谷市児童館の運営方針を定めて、様々な主体性などを育む事業を実施することで、児童の健全育成に取り組んでおります。具体的には、子ども体験教室や地域との交流を目的としたお祭りなどを実施するほか、子どもたちが中心となり遊びを考える企画などを実施しており、今後も身近な児童センターにおいて子どもの主体性などを育むとともに、子どもたちが安心して過ごせる居場所として運営の充実を図ってまいります。
放課後子ども教室
質問3
身近な児童センターにおいて子どもの主体性などを育むとともに、安心して過ごせる場所として運営の充実を図っていくとのことでした。実際のところ、子どもたちの主体性や自主性の尊重と安全性の確保は相反するところがありまして、その線引きというか、兼ね合いというか、そういったものが重要な課題となってくるのではないかなと思います。そのことについては、この再質問の中で後ほど触れていきたいと思います。 それでは、ここからは鎌ケ谷市こども計画の中に掲げられている具体的な施策について質問していきたいと思います。まずは、放課後子ども教室の実施についてです。その概要と具体的な内容についてお伺いいたします。
回答
放課後子ども教室は、放課後等における全ての子どもたちを対象とした安全安心な居場所づくりとして、学校内の教室や体育館、校庭等を活用し、自由遊びを基本に、異年齢同士の交流や地域住民ボランティアや団体などの協力を得て、地域の方々との交流や様々な学習、体験の場などを提供することで子どもたちの育成を図ることを目的としています。本市においては、放課後児童クラブや小学校の校庭を開放する学校開放施設管理事業、いわゆる個人開放を実施していることに加え、児童センターを6つのコミュニティーエリアに設置しております。このため、放課後等における子どもたちの安全安心な居場所についてはある程度充実した状況ではございますが、鎌ケ谷市こども計画において、放課後の子どもたちの居場所づくりを考える上での重要な施策と位置づけている放課後子ども教室については、同じく小学校の教室や校庭等を使用して実施している放課後児童クラブや個人開放との連携も視野に入れて、本市にふさわしい実施の形を検討してまいりたいと思います。
要望
放課後子ども教室については以前も質問したことがあるのですが、放課後子ども教室と放課後児童クラブの最大の違いというのは、前者が全ての児童を対象とした安全な居場所、体験の場であるのに対して、後者は働く保護者に代わって子どもたちを見守る保育の場であるということかと思います。登壇質問のご答弁にあった子どもたちの視点に立った居場所づくりということであれば、放課後子ども教室の設置はとても大切な取組になるのではないかなと思います。ぜひ本市にふさわしい形での実施を検討していっていただきたいと思います。
プレーパーク
質問4
次に、プレーパークについての本市の見解をお伺いいたします。
回答
プレーパークは、公園に設置しているブランコなどの遊具ではなく、野外の自由な遊び場で、極力禁止事項をなくして、木登りや泥んこ遊びなど、伸び伸びと遊ぶことができる場所となります。その目的は、子どもたちが想像力を生かし、自分たちの責任で異年齢の子どもたちと遊ぶことを通じてコミュニケーション能力や社会性を育む機会であるとともに、子どもたちの健やかな成長につながる居場所や体験活動を確保していく観点から、プレーパークの果たす役割は大きいものと認識しております。
質問5
ただいまのご答弁にあったように、プレーパークは禁止事項を極力減らして、子ども自身が主体的に考え、責任を持って挑戦と失敗を経験できる場です。多くのプレーパークでは、「ケガと弁当は自分もち」というモットーが掲げられていますが、それは自分の責任で自由に遊ぶということを意味します。安全性を確保するということはもちろんですが、プレーパークでは遊びの中で生じる多少のケガは、子どもたちの成長の過程で必要なものだと考えます。つまりは、子どもたち自身がどこまでやったら危ないかということを学び、危険を予測する力を養うというような目的があります。

プレーパークでは、危険を「リスク」と「ハザード」の2種類に分けて考えます。「リスク」とは自ら挑戦する危険のことで、自分の限界に挑戦し、乗り越えていくという成長のプロセスです。一方で、「ハザード」とは自分から挑戦できない隠れた危険のことを指します。例えば子どもたちの遊び部屋に割れたガラスの破片が落ちているだとか、あとは公園の遊具の金具が緩んで外れかかっているだとか、遊んでいる子どもたちには予測できない突発的な危険が「ハザード」です。実際、現場では「リスク」と「ハザード」の境界は明確でないことが多く、子どもの年齢や発達によっても「リスク」と「ハザード」が変わってくることがあるのですが、こうした「ハザード」を取り除きつつ、子供たちの成長につながる「リスク」をいかに残せるかということがプレーパークでは大切なことではないかなと思います。本市では15年以上前からプレーパーク事業が実施されてきていましたが、その概要と現況についてお伺いいたします。
回答
本市におけるプレーパーク事業は、子どもたちがコミュニケーション能力や社会性を身につけることを目的に、子ども自身の責任で異年齢の子どもたちと遊ぶことができる広場を提供するものとして、鎌ケ谷市レクリエーション協会との協働事業として平成21年度から継続的に当協会に委託して実施しております。具体的には、年7回程度市制記念公園内の広場を活用し、ロープを木にぶら下げたブランコなどを設置するほか、竹馬遊び、季節に合わせた工作教室などを実施しておりました。なお、当該事業は鎌ケ谷市レクリエーション協会会員の高齢化により、令和8年度から受託できないものとの回答があったことから、例年計上していた委託料50万円について令和8年度の予算計上を見送っております。
質問6
平成21年度から令和7年度まで、市と鎌ケ谷市レクリエーション協会の協働事業として17年の長きにわたって実施されてきたとのことでした。市の職員と鎌ケ谷市レクリエーション協会の方々の努力の賜物だと思います。

千葉県内では現在22自治体、43か所でプレーパークが実施されていますが、市の委託事業として実施されているところは極めてまれで、ほかのプレーパークからも鎌ケ谷のプレーパークは高く評価されていました。市からの委託事業でやっているのですか、という感じで非常に高く評価されていましたので、鎌ケ谷市レクリエーション協会が会員の高齢化によってやむなく受託を辞退されたということで、今年度から実施できなくなったということは本当に残念でなりません。プレーパークは、本市のこども施策において重要な事業だったと思うのですが、今後はどうしていくのかについてお伺いいたします。
回答
今後でございますが、これまでプレーパーク事業を担っている子どもたちの居場所や様々な体験機会の提供は重要と考えております。現在、市内6か所に整備している児童センターにおいては、子どもの体験事業や季節のお祭りを実施するとともに、実施に当たっては、地域の団体と連携しながら、日頃体験できない学びや体験の機会を提供しておりますが、プレーパーク事業で実施していた竹や木材などを使用した遊びや体験について、児童センターにおいても段階的に実施していくことで、プレーパーク事業の機能を継承していくことを予定しております。
質問7
市内6か所にある児童センターがプレーパーク事業の機能を継承していくとのことでした。日頃子どもたちが体験できない学びや体験の機会を増やしていくという点では、すばらしいことだなと思いますが、プレーパークは、その性質的に行政主体ではなかなか実施し切れないところがあるのではないかなと懸念もしています。全国のプレーパークを見てみますと、地域住民やNPO法人などの市民団体が主体となり、行政の支援、協力の下で共同運営されるのが一般的です。本市でも、市と鎌ケ谷市レクリエーション協会の協働事業として実施されてきました。行政が主体となって主導的にプレーパークを実施しているというケースは、少なくとも私は聞いたことがありません。その理由なのですが、プレーパークは禁止事項を減らし、子どもたちの主体性や自由な発想を最優先する遊び場であるため、安全管理を最優先とする行政が主体では実施が難しく、プレーパーク本来の目的が損なわれてしまうからではないかなと私は考えています。
そこで、今後地域住民やNPO法人などと行政が協働してプレーパークを実施するということについて、市ではどのように考えているのか、見解をお伺いいたします。
回答
本市においては、鎌ケ谷市レクリエーション協会から、遊びの指導等を行うプレーリーダーを派遣していただき、長年にわたり共同で実施しておりましたが、従来の形で実施できる団体がないことから、現段階において協働でプレーパークを実施することは難しく、今後市内において事業実施可能な団体から相談等があった段階で検討してまいります。なお、令和8年度からは、子どもたちの健やかな成長につながる居場所や体験活動を確保していく観点から、市では居場所に関する補助金を創設するとともに、子ども食堂の活動につきましても補助金を交付し、実施場所の提供を行っております。
要望
プレーパークを実施するには、子供たちの安全を見守り、自由に遊べる環境をつくるための専門研修を受けたプレーワーカー、プレーリーダーと言ったりもしますけれども、そういった役職が必要ですし、運営を担う人員も必要となってくるので、実施できる団体が限られてしまうのは確かかと思います。ただ、鎌ケ谷市からプレーパークがなくなってしまうのは、子供たちの居場所づくりという観点からも非常に残念なことですので、事業実施が可能な団体が現れたときには前向きに検討していただけたら幸いです。
子ども食堂
質問8
次に、今のご答弁の中でも触れられていた「鎌ケ谷市地域こどもの生活支援強化事業補助金」について質問したいと思います。この補助金は「鎌ケ谷市子ども食堂運営費補助金」を拡充する形で今年度から新たに創設されたものですが、その背景と目的をお伺いいたします。
回答
本市では、令和5年8月から、子どもの孤食の解消や、他世帯との交流を通じて安心できる居場所を提供することを目的に、市内の子ども食堂運営団体に対し、子ども食堂運営費補助金を交付しておりました。一方、近年は経済的な困窮のみならず、孤立や養育不安、学習機会の格差など、子どもを取り巻く課題は複雑かつ複合化しており、行政による公的支援だけでは十分に把握、対応できないケースもございます。こうした状況を踏まえ、令和8年度に創設した「地域こどもの生活支援強化事業補助金」は、地域の中で子どもの居場所づくり、食事の提供、学習支援、相談支援、見守り活動などの運営まで補助対象経費を拡充することで、支援を必要とする子どもや家庭との接点を広げ、市と連携を図り、包括的な支援につなげることを目的としております。
質問9
確かに近年では、子どもたちを取り巻く課題というのは非常に多様化していて、しかも複雑に絡み合っていることが多いので、行政だけでなく社会全体での支援が必要になっています。そのために、支援の対象を拡大していくというのは非常に納得できることです。「鎌ケ谷市地域こどもの生活支援強化事業補助金」では、従来の子ども食堂だけでなく、子ども食堂以外の居場所づくり事業にまで対象が拡大されました。新規事業として192万円が計上されています。一方で、子ども食堂補助金分は前年の120万円から20万円減の100万円となりました。1団体当たりの補助金の年額上限は30万円から20万円へ、月額上限は2万円から1万円へと減額されています。その理由についてお伺いいたします。
回答
子ども食堂運営費補助金は、令和8年度から年間の助成限度額を1団体当たり30万円から20万円に減額しておりますが、主な減額理由は2点ございます。1点目は、近年子ども食堂に対する市内の民間企業、地域団体、個人などからの寄附や食材提供などの支援が増加傾向にあるとともに、認定NPO法人全国子ども食堂支援センターや、農林水産省による備蓄米の無償交付制度の活用など、本市の助成制度以外にも支援の輪が広がっている状況にあること、2点目は、子どもの居場所づくりの確保に寄与する、先ほど申し上げた新たな補助金を創設したことが背景にあります。限られた財源を有効に活用すべく、事業の見直しを予算編成の中で実施していましたが、その結果、子ども食堂の補助金は、対前年度20万円減の100万円、子どもの居場所づくり補助金は、新規事業として192万円を計上しています。事業費全体としては、令和7年度の120万円から292万円と大きく増加しております。なお、子ども食堂の支援は大変重要なものと捉えており、引き続き必要な情報提供や、市内事業所などの支援をつなげるなどの対応をしてまいります。
要望
鎌ケ谷市子ども食堂運営費補助金を鎌ケ谷市地域こどもの生活支援強化事業補助金に拡充したことで、事業費全体としては120万円から292万円へと大きく増加しているけれども、子供の居場所補助金分として192万円を新設したために、子ども食堂補助金分は20万円の減額となったということかと思います。確かに子ども食堂に対する支援の輪は、以前よりもやや広がっているかもしれませんが、その運営の多くは、多くのボランティアによって支えられていますし、昨今の著しい食材費高騰の影響を受けて、子ども食堂の運営は決して楽ではありません。特に規模の大きな子ども食堂ほどその影響は大きいものと思います。ご答弁の中でも、子ども食堂の支援は大変重要なものとありましたが、今後市内で活動されている子ども食堂ネットワークなどのご意見なども伺いながら、行政による支援の在り方については再度検討していっていただきたいなと思います。
居場所がないということは、社会における孤立、孤独の問題だとか、あとは自己肯定感の問題と深く関係しています。子どもたちが自分らしくのびのびと成長していくことのできる地域社会を築き上げていくためには、全ての子どもたちが主体的に安心して過ごせる居場所があることが不可欠です。そうした居場所は、官民が協働してつくり上げていくのがいいのではないかなと私は思っています。具体的には、まず地域住民やNPOといった民間の担い手を増やし、その質を高めていくということ、さらにはそうした民間の担い手と行政の連携強化を図っていくということです。本市においては、既に子ども食堂をはじめとする子供の居場所づくりを目的としたNPOなど民間団体が活動していますし、子どもの居場所づくりのプロジェクトも始まっています。全ての子どもが安心して過ごすことができる居場所づくりを実現するため、行政としても国の動向を捉えながら、地域の実情を踏まえた居場所づくりを支援、推進していっていただきたいと思います。
