鎌ケ谷市議会議員

つくろう! 自然環境と地域経済が、 調和するまち

森林の生産性 


 最近、子どもの頃から慣れ親しんできた森林が急速に失われている。45年ほど前、僕の実家の周りは森林や畑に囲まれていたが、今ではほとんど残されていない。
 市内の森林のほとんどは私有林である。私有林の管理はその所有者が責任を持って取り組まなければならない。近隣の迷惑にならないように落ち葉を掃いたり、間伐をしたり、枝落としをしたり、下草を刈ったり…と、常に適切な管理を求められるため、人手が必要だし、お金もかかる。

「森林なんかを所有していたって、金がかかるばかりで腹の足しにもなりやしない」

 森林所有者の、そんなボヤキを耳にしたことがある。

 木材としての利用や販売などを目的とした人工林(経済林)ならともかく、雑木林のような天然林には経済生産性はほとんどない。そう考えると、森林所有者のボヤキも、森林が失われていく理由もよく理解できる。

 しかし、森林の生産性とは、林業における経済生産性だけだろうか。いや、むしろ、森林にはもっと大切で根源的な生産性があるのではないか。それは、生物生産性である。つまり、太陽光、二酸化炭素、水を利用して、森林は、無機物から、僕たち生物が生存するのに不可欠な有機物や酸素を生産しているのである。資本主義社会において森林の生産性が語られる時、経済生産性にばかり焦点が当てられ、生物生産性は見落とされがちである。

 近年における地球の著しい温暖化の原因は、人間が経済活動によって排出した二酸化炭素などの温室効果ガスの影響であることはほぼ確実であるが、それと同時に、やはり経済活動のもとに、二酸化炭素の吸収源である多くの森林が破壊され続けてきたことにもある。だから、これ以上の地球温暖化を防ごうとするのであれば、身近な森林を保全し、再生していく取り組みが必要なのだ。そのためには、私有林だからと言って、その管理を所有者にばかり押しつけるのではなく、森林を、僕たちの暮らしや経済を支える大切な公共財と位置づけて、行政や地域住民がその保全・再生に積極的に関わっていける仕組みが必要なのではないだろうか。


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