
都市型水害の脅威とアンダーパスの危険性の顕在化
今年8月13日に発生した記録的な大雨、いわゆる千葉豪雨では本市を含む千葉県内の各地において甚大な人的、物的被害がもたらされました。しかも、従来のような治水対策だけでは対応し切れない内水氾濫が各地で同時多発的に発生するなど、新たな段階の都市型水害の脅威が顕在化したと言えます。専門家によりますと、今回の千葉豪雨は非常にまれな現象で、異常気象と呼んで差し支えないとのことですが、その一方で、こうしたまれな豪雨が今後頻発するようになる可能性も指摘されています。というのは、千葉豪雨のメカニズムは複合的な要因によるものではありますが、1つに、地球温暖化によって増大した大量の水蒸気が太平洋側から日本列島に流れ込み豪雨をもたらす線状降水帯が発生したことにあります。気温が1度上昇すると、大気が保持できる飽和水蒸気量は約7%増加します。近年、海面水温の上昇によって大量の水蒸気が供給されやすくなっているため、地球温暖化を緩和しない限り、豪雨災害の発生リスクは増大し続けることでしょう。ですから、今回の千葉豪雨は一過性の異常気象ではなく、地球温暖化による気候の深刻な変化であり、場合によっては今後頻発するようになる可能性があると捉えたほうがよいかと思います。芝田市長も9月1日の記者会見において、「今回初のレベル5大雨特別警報が出たことで雨の降り方が変わってきたと実感した」と述べられた上で、「雨の降り方が変わってきたのを前提に、再び対策を検討する必要がある」とおっしゃっていました。私も同感で、今回の千葉豪雨のような大雨は今後も発生するという前提に立って、新たな都市型水害の対策を早急に検討していく必要があると思います。
質問1
令和8年8月千葉豪雨の概要と市内における被害状況についてお伺いします。
回答
千葉豪雨の概要と本市の被害状況でございますが、千葉県では8月13日夕方以降、線状降水帯が発生し、各地で記録的な大雨となりました。鎌ケ谷市では、市役所に設置した民間気象会社の雨量計で、8月13日14時から15日午前零時までの総雨量が282ミリ、最大1時間雨量は8月13日18時10分から19時10分までの1時間雨量で92ミリを観測し、本市で記録が残る限りでは最大の降雨量となり、人的被害としては軽症者3名、住宅の被害は9月11日現在、床上浸水155件、床下浸水232件と大きな被害が発生しております。道路冠水については37か所で確認し、うち8か所で通行止めを行いました。 なお、市道37号線、丸山アンダーパスについては、ポンプ施設の電気系統に損傷が発生し、道路上に染み出した地下水の処理ができず通行止めが継続しておりましたが、暫定的なポンプを設置し、8月28日午前9時に通行止めを解除いたしました。また、道路冠水などによって発生した道路上の故障車両は、国道や県道を含め35か所、71台となっておりましたが、8月21日までに全て移動が完了いたしました。
質問2
8月13日の18時10分から19時10分までの1時間雨量が92ミリを記録したとのことで、想像を絶する豪雨であったということが分かります。また、市内の至るところでは、これまででは考えられなかったような人的・物的被害が発生したとの報告を受けていますが、その1つが丸山アンダーパスです。丸山アンダーパスは、ハザードマップにおいても大雨の際に冠水リスクが非常に高い、道路冠水注意箇所に指定されていますが、過去10年間で大雨による浸水で通行止めとなったのは2回、いずれも数時間で解除されています。しかし、今回は通行止めが2週間以上の長期に及ぶこととなりました。そこで、今回、丸山アンダーパスが通行止めとなった状況や原因についてお伺いいたします。
回答
丸山アンダーパスは、都市計画道路3・4・5号船橋我孫子バイパス線の京成松戸線との交差部を下押しする形状となっており、築造は千葉県の設計、施工により行われ、昭和63年9月に本市に引き継がれ、市道37号線として認定、管理されております。令和8年8月千葉豪雨では8月13日の午後2時30分にレベル3大雨警報が発令されたため、午後3時からパトロールを開始しました。アンダーパスは下越しという形状から、雨水を排除するための排水ポンプを設置しておりますが、通報装置からのポンプ状況の通報やパトロールからの報告による道路冠水状況から、午後6時30分に通行止めを実施し、その後8月28日の午前9時に通行止めを解除いたしました。通行止めの原因でございますが、排水ポンプの能力を大きく上回る雨水が集中したことにより、排水処理が追いつかず、冠水は約3メートルまで達し、排水ポンプの制御盤が設置されている機械室まで浸水したことにより電気系統が損傷し、排水ポンプが停止したことによるものです。

今も、壁面や床面から染み出した地下水が路面に流れ出している(2026年10月13日)
質問3
排水ポンプの能力を大幅に上回る雨水が短時間に集中したことでアンダーパス内の排水が追いつかず、約3メートルまで冠水したということ、そのため電気系統が浸水して損傷し、排水ポンプが停止したとのことでした。3メートルといいますと、アンダーパスの天井近くまで達し、高い位置にある、あの歩道も完全に冠水するくらいです。この冠水によってアンダーパスを走行中の車両が被災したと聞いていますが、その状況についてもお伺いいたします。
回答
冠水した車両は4台でございました。一般的にアンダーパスは、その形状から見通しが確認しにくいという特徴があります。このため、市では注意喚起のため、看板の設置や水深を表示したラインを設置しております。冠水時の通行状況については、運転手などに直接伺っていないため想定となりますが、これまで経験したことのない豪雨の中、視認性が確保できず、冠水状況が把握できなかったことが想定されます。故障車両の移動状況でございますが、車両の所有者などによるレッカー移動により、8月19日までに全ての車両の移動が完了しております。
排水ポンプ系統設備設置
質問4
千葉豪雨では、千葉県内で53か所のアンダーパスが冠水して、少なくとも車両47台が水没したと聞いていますが、丸山アンダーパスにおいては4台の車が水没したとのことです。ただいまのご答弁にもありましたように、激しい豪雨の中、アンダーパスの冠水状況が把握しづらかったということが一因である可能性があります。この点については後ほど質問しますが、ドライバーに危険性をはっきりと知らせる対策が必要になるのではないかなと思います。 ところで、先ほどのご答弁で、排水ポンプの制御盤が設置されている機械室が浸水し、電気系統が損傷したことで排水ポンプが停止、排水ができなくなり長期間にわたる通行止めとなったとのことでしたが、この排水設備と電気系統の設備及び非常用発電機についてお伺いいたします。
回答
丸山アンダーパスの排水は、ポンプによる排水方式となっており、施設は京成松戸線付近の右京塚側の歩道脇の地下部分に機械室とポンプ槽が配置され、機械室にはポンプの稼働を制御する制御盤や分電盤のほか、停電時に稼働する非常用発電機が設置されております。これらの施設の点検につきましては専門業者へ委託しており、1か月に1回定期実施しております。なお、発災前の直近の点検で異常は認められませんでした。
要望
ポンプの稼働を制御する制御盤や分電盤、停電時に稼働する非常用発電機が配置されている機械室が歩道脇の地下部分に設置されていたために、浸水して損傷してしまったというわけです。今回のような異常な豪雨というのは、これまでにはなかなか想定できなかったと思いますが、こうした豪雨災害が今後も発生することを想定して、復旧の際には電気系統の設備や非常用発電機は冠水しにくい地上の安全な場所に設置していただくようにお願いいたします。
質問5
今回のご豪雨によってアンダーパスが長期間にわたって通行止めとなった要因は、おびただしい量の雨水がアンダーパス内に流入したことと、それによって排水ポンプの電気系統が破損したことにあるということは分かりましたが、そのほかにも地下水の流入が大きな要因であったと聞いています。その状況と対策についてもお伺いいたします。
回答
丸山アンダーパスの約3メートルの道路冠水を解消するため、8月14日未明から国土交通省から派遣されたテックフォースによるポンプ車による排水作業を実施し、同日夕方に排水作業が完了しましたが、丸山アンダーパス内に故障車両が残っていたことから、排水作業完了後も通行止めを継続しました。また、このほかに地下水のにじみ出しの影響により車両通行に支障が生じる約50センチメートルの道路冠水が発生する状況となっていたことから、その都度、消防本部による排水作業を実施するとともに、地下水を処理するための暫定的なポンプの設置に向けた準備を進めました。しかしながら、多くのポンプメーカーなどに問い合わせましたが、現地の状況に即したポンプの在庫が限られていたことから、ポンプの調達に困難な状況が続き、想定よりも時間を要しました。このような中、関東圏外での在庫が確認でき調達が確保できたことから、暫定ポンプを25日に設置し、試運転を経て、発災から約2週間後に通行止めを解除いたしました。
予防的な事前通行規制
質問6
50センチほどの地下水のにじみ出しがあったという、道路冠水していたということですが、もともと丸山アンダーパスは日常的に地下水が流入する地形であって、今までは排水ポンプが稼働していたから冠水することはなかったものの、排水ポンプが停止してしまうと雨が降らなくても地下水で冠水してしまうということかと思います。現在は、地下水を処理するための暫定的なポンプが設置されたことでアンダーパスの通行が可能になっていますが、あくまでも暫定的なものであり、排水能力は低いものです。実際9月6日から9月7日にかけて大雨が降った際、60センチほどの冠水がありました。このときは予防的通行規制として6日の午後9時から翌日の午前11時まで丸山アンダーパスを通行止めとしていたために、冠水による人的、物的被害はありませんでした。これ非常に賢明な判断だったと思います。市のホームページでは、既設ポンプ1基目の稼働再開時期の予定が9月中旬、既設ポンプ2基目と電気系統も含めた施設全体の復旧時期は未定となっていますが、それまでの間、大雨の予報の際には被害を未然に防ぐために予防的な通行規制をお願いいたします。その際、今後、アンダーパス冠水の対策のソフト面での対策として、ガイドラインの作成や通行止めの基準などをしっかりと策定しておく必要があるのではないかなと思うのですが、市の見解をお伺いいたします。
回答
初めに、冠水対策のガイドラインの作成でございますが、国土交通省は、発災後8月27日付で地方自治体などに対し、人的被害などが発生したことを踏まえ、冠水事故防止に向けた当面の対応について通知を行いました。この中で、事故防止に向けたガイドラインの策定を検討している旨と、併せてガイドラインの策定を待つことなく予防保全的な事前通行規制等の実施、車両進入防止策の強化、排水機能及び監視機能等の確保、関係機関との連携などを行うよう助言がなされております。本市では、既に丸山アンダーパスにおいて事前通行止め規制を実施しているほか、注意喚起などの対策や通行止めの際の警察との連携など行っておりますが、今後、施設の復旧を行う中で、国の動向や財政的支援を注視し、対策を検討してまいります。 次に、通行止めの基準につきましては、1つの目安としまして、国土交通省が示す事例で、水深が車両の床面を超える場合や、タイヤが完全に水没する場合などが挙げられており、本市ではこれらを参考に実施しております。
要望
事故を未然に防ぐためにガイドラインを作成するのと同時に、冠水してからの規制では手遅れになる可能性がありますので、降雨予報などを踏まえた事前通行止めの基準などもしっかりと定めていただくようにお願いいたします。現在も台風25号が日本列島に接近していて、週明けシルバーウイークの初め頃に関東地方に最も接近する可能性があると言われていますので、その際も早めに対応していただけたらと思います。
自動エアー遮断機や電光表示の導入
質問7
ただ、急激な水位上昇を伴う冠水に対しましては、道路管理者による迅速な通行止めの措置が困難であるということもあり得ます。その際、車両が冠水したアンダーパス内に進入するのを防ぐための対策も講じておく必要があるのではないかと思うのです。先ほどのご答弁でも、注意喚起のための看板や水深を表示したラインをアンダーパス内の壁面に設置しているものの、豪雨の中では確認しにくいとのことでした。ですから、豪雨の中でも、きちんと視認できるような対策が必要かと思います。例えば水位計と連動した自動遮断機の設置だとか、あとは警告の電光表示ですね、電光掲示の警告板、そういったものの表示です。具体的な事例としては、松戸神社の近くにある宮前アンダーパスには、水位が上がると自動的にエアー式の遮断機が出る装置が設置されています。また、千葉市の春日地下道にも同じような装置が設置されています。冠水したアンダーパスへの侵入を防ぐには、このような装置を設置する必要があるかなと思いますが、本市の見解をお伺いいたします。
回答
冠水時の車両進入防止対策などについては、さきの国土交通省の助言において検討事項の一つとなっており、丸山アンダーパスでの有効性などについて導入している先進施設での状況などを調査研究してまいります。また、日頃からドライバーに注意喚起を促す対策については、本市では既に注意喚起看板の設置や水深のラインの表示を行っておりますが、さらなる有効な注意喚起対策について、ほかの施設などで実施状況を調査するとともに、丸山アンダーパスでの対策の一つとして検討してまいりたいと考えております。

要望
千葉県が出したビジョンの中におきましても、冠水対策の実効性を確保するため、自動的に通行止めできる措置、排水ポンプの耐水化、道路冠水履歴の見える化などを推し進めるべきだと、そういったような方向性というものが示されていますので、ほかの施設の事例なども参照しながら、ぜひ早急に進めていっていただきたいと思います。
参考:「都市型水害に強い千葉県づくり」に向けたビジョン
― 令和8年8月千葉豪雨を踏まえた「3つの新たな視点」とオール千葉県での対策―
https://www.pref.chiba.lg.jp/kendosei/press/2026/documents/gouu-vision.pdf
代替的な南北交通の確保
質問8
さて、今回、丸山アンダーパスが2週間以上も通行止めとなったことで周辺地域のみならず、市内の幅広い地域に交通の混乱が生じました。実際、市内の交通にどのような影響が生じたのか。また、それに対して、どのような対策を行ったのかをお伺いします。あわせて、今後同様の事態が生じることを想定して、どのような対策を検討しているのかについてもお伺いいたします。
回答
今回の豪雨では市内の主要道路10か所において、丸山アンダーパスが通行止めとなっていることを知らせる看板を設置し、アンダーパスに近づく前の段階で迂回できるように周知するとともに、市ホームページ、LINE、フェイスブック、エックスなどの各種SNSや、かまがや安心eメールにより通行止めの状況や、解除に向けた進捗状況について情報発信を行いました。しかしながら、迂回路としていたアンダーパス周辺の道路に渋滞が発生したことに起因し、この渋滞を避けるために近隣住民の進入路となっていたアンダーパス側道に至る道路や、アンダーパスから離れた道路幅員の狭い生活道路などを抜け道として利用する状況が発生したことで周辺の居住者や歩行者などの通行に支障となったものと認識しております。今後、通行止めの際は、早い段階で迂回先が分かるような看板の設置や、市ホームページやSNSなどをさらに有効に活用し、情報発信に努めてまいります。
質問9
早い段階で迂回先が分かるように、アンダーパスが通行止めになっているということが早く分かるようなことが必要かなと思うのですけれども。そういったときにでも、なかなか豪雨の中、大雨の中、職員の方たちが看板を立てに行くというのも大変かと思いますので、そういうときにこそ、電光表示で出せるようなものがあればいいかなと思います。今回、丸山アンダーパスが通行止めとなった当初も、アンダーパスの南側の丸山3丁目交差点や北側の丸山1丁目交差点からの迂回路が示されていたため、周辺の生活道路に交通が集中してしまって大きな混乱を引き起こしていました。その後、バイパス線の北端に当たる国道464号との接続部や南端の東道野辺7丁目付近、県道船橋我孫子線の鎌ケ谷二中入口の交差点などに丸山アンダーパス通行止めの立て看板が立てられるようになりまして、若干の緩和にはつながったかなとは思うのですけれども、それでも、やはり鎌ケ谷郵便局前から稲荷前三差路へ向かう道筋は、道路工事の影響などとも相まって常時大渋滞しているような状況でした。丸山アンダーパスが通行できなくなることで、市内の交通に多大なる影響が出るということが今回明らかになったかと思います。また、丸山アンダーパスが通行止めになっていることを看板だけでなく、ホームページやSNSを利用して幅広く発信していくということは、とても大切なことではありますが、実際、豪雨によってアンダーパスが通行止めとなったことを想定した道路整備をしていく必要もあるのではないかなと思います。丸山アンダーパスは、市内を南北に縦断する都市計画道路3・4・5号船橋我孫子バイパス線の中心部に位置します。ですから、丸山アンダーパスが通行止めになるということは、市内の円滑な南北交通が遮断されたのも同然です。そこで、都市計画道路3・4・5号船橋我孫子バイパス線が完成した後も、同じく市内の南北交通を担う県道船橋我孫子線の直進通行を維持することなども含めて、市内の道路整備計画を見直す必要があるのではないかと思うのですが、本市の見解をお伺いいたします。
回答
現在、千葉県が事業を進めている区間の整備が完了することで本市の南北方向の交通を県道船橋我孫子線とともに担う道路ネットワークが確立するものと考えております。バイパス線の整備により市域中心部に集中する交通が分散され、渋滞の軽減や交通事故の抑制が図られるものと考えておりますが、今回の豪雨ではアンダーパスについては、ポンプ施設の機械室が浸水により操作施設の電気系統が損傷したことでポンプが作動しない状況となり、約2週間の通行止めが継続されました。今後、同規模以上の豪雨も想定されることから、ポンプ施設を本復旧する際にはポンプ操作施設などの地上への設置なども含め、十分に検討し、豪雨による都市計画道路3・4・5号船橋我孫子バイパス線への影響が少なくなるようにしていきたいと考えております。
要望
ポンプ施設を本復旧するに当たって、電気系統の設備や非常用電源などを浸水しない地上に移すことで、今回と同程度の豪雨があった場合でも丸山アンダーパスの通行止めが長期化しないような対策はもちろん大切だと思います。しかし、今回の千葉豪雨によってアンダーパスの危険性が顕在化した以上、アンダーパスがある都市計画道路3・4・5号船橋我孫子バイパス線を市内で唯一の直進できる南北幹線とすることは、円滑な市内交通を保障する上で非常にリスクがあるのではないかなと思います。つい先日8月27日に熊谷知事は千葉県北西部渋滞対策会議を設置し、県北西部の深刻な交通渋滞の対策に取り組むということを発表しました。とりわけ、県道船橋我孫子線と国道464号を中心とする鎌ケ谷市の地域は重点渋滞エリアに挙げられています。県道船橋我孫子線を4車線化するというような構想もあるという話は聞いていますが、その場合、丸山アンダーパスはどうなるのか、県道船橋我孫子線と都市計画道路3・4・5号船橋我孫子バイパス線の関係はどうなるのか、そうしたことを市民の意見にしっかりと耳を傾けながら、きちんと議論していっていただきたいなと思います。
